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公開日2026.07.13

システム運用とは? 主な業務内容や運用方法、ポイントを解説

著者:Sky株式会社

システム運用とは? 主な業務内容や運用方法、ポイントを解説

システム運用は情報システム全体の安定稼働に不可欠な業務ですが、「システム保守との違いが曖昧でわかりにくい」「具体的な仕事内容や自社が対応すべき範囲が正確に把握できていない」といった疑問やお悩みも多いのではないでしょうか。この記事では、システム運用の基礎知識や保守との決定的な違い、監視・障害対応など主要な4つの業務内容について詳しくご紹介します。さらに、自社の要件に合致する環境選びや、効率的な運用体制を構築するための実践的なポイントもまとめています。

システム運用とは?

システム運用とは、本番環境で導入された情報システム全体の安定稼働を確保し、システム停止やパフォーマンス低下といった障害を未然に防ぐ維持管理業務です。その役割は稼働状態の監視だけでなく、障害の防止に向けた定期メンテナンス、万が一の事態に備えたデータのバックアップ、さらにはユーザーからの問い合わせ対応まで、多岐にわたります。

こうした一連の維持管理業務は、予期しないシステム停止に伴う売上損失や業務中断などのリスクを回避する上で欠かせません。仮にシステム運用が機能しなくなった場合、サービスの完全な停止や顧客データの消失、ひいては社会的信用の失墜といった、経営の根幹を揺るがす甚大な被害を招く恐れがあります。盤石なシステム運用体制の構築は、企業の事業継続性を担保する強固な経営基盤を確立する上でとても重要です。

システム運用とシステム保守の違い

システム運用とシステム保守は、どちらも情報システムの安定稼働を支えるために不可欠な業務ですが、その目的と時間軸には明確な違いが存在します。

システム運用が担うのは「システムの正常稼働を維持すること」です。死活監視やバックアップの取得などを行い、システム障害を未然に防ぎながら、計画どおりに動かし続けるルーティン業務を指します。一方、システム保守が担うのは「システムに生じた問題の修正や機能拡張を行うこと」です。バグの修正やプログラムの改修、ハードウェアの部品交換など、顕在化した課題の解決や未来の変化に対応するアップデート業務を指します。

このように、日々の安定を守る「運用」と、変化に対応する「保守」が連携することで、初めてシステムのライフサイクルが健全に保たれます。

システム運用の種類

システム運用は、対象とする領域や役割に応じて「ネットワーク管理」「システム管理」「業務運用管理」の3つに分類されます。それぞれシステム内における位置づけが異なり、求められる専門知識やスキルが分かれる点が特徴です。

各分類における具体的な業務領域と役割は次のとおりです。

種類 対象領域と役割 業務例
ネットワーク管理 社内LANやWAN、ルーターといった通信インフラの安定接続を維持する 通信機器のステータス監視、トラフィックの負荷に応じた帯域制御
システム管理 サーバーなどのハードウェアをはじめ、OSやミドルウェアの正常稼働を支える システムの計画停止・起動、脆弱性パッチの適用、ライセンスの管理
業務運用管理 日々の業務プロセスや、システム間で連携される内部データの運用を担う 定時ジョブのスケジュール実行や実行結果の確認、マスターデータやシステムユーザー情報の更新

こうした領域ごとの適切な管理が積み重なることで、ITインフラ全体の可用性は最大化されます。

システム運用の主な業務内容

情報システム全体の安定稼働を担うシステム運用には、多岐にわたるタスクが存在します。ここでは、運用の全体像を把握するために不可欠な、主な4つの業務内容についてまとめています。具体的な項目は以下のとおりです。

  • 監視業務
  • 障害対応
  • バックアップ管理
  • セキュリティ対応

各業務の役割や重要性を理解することで、運用管理の全体最適を見据えた設計や、効率的な体制を構築するための視点が得られます。

監視業務

監視業務とは、システムやサーバーが正常に稼働しているかを常時確認する業務です。日々のジョブログやリソースの使用量をチェックし、パフォーマンスの低下や障害などのトラブルを早期に捉えます。万が一のアラート検知や異常なトラフィックの発生時には、影響を最小限に抑えるため、マニュアルに沿った報告や暫定対処といった一次対応を迅速かつ正確に進めることが重要です。

こうした日々の安定稼働を支える取り組みは、ITIL(Information Technology Infrastructure Library:ITサービスマネジメントの成功事例集)の視点でも、システムを安定運用するための重要な基盤に位置づけられています。

障害対応

障害対応は、システムに不具合が発生した際に迅速な復旧と再発防止を図る業務です。ログファイルやエラーメッセージなどを精査し、トラブルの根本原因を特定します。発生日時や影響範囲、具体的な症状はすべて克明に記録し、次回以降に同様の事象が起きた場合でも、誰もが迷わず対処できる「共通の手順」を確立しておくことが重要です。

こうした記録の蓄積や対応手順の仕組み化は、SLA(Service Level Agreement:サービス品質保証契約)の遵守や、運用の属人化解消へとつながります。

バックアップ管理

バックアップ管理は、予期せぬ機器の故障や災害、ランサムウェアなどの脅威に備え、重要データの複製を定期的に取得・保管する業務です。有事に備えて確実な復旧体制を築くためには、取得したバックアップデータを、本番環境とは完全に切り離した別の場所で隔離保管することが重要です。ただデータを複製するだけでなく、実際にシステムを復元できるかを確認する「リカバリーテスト」の定期実施を運用に組み込む必要があります。

こうした万全な備えは、企業のBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)を具現化し、ITインフラ全体の可用性を担保する上で重要な役割を果たします。

セキュリティ対応

セキュリティ対応は、情報システムやネットワークに対する潜在的な脅威や攻撃を捉え、迅速な検知と適切な一次対処を行う業務です。外部からの不正アクセスやマルウェアの侵入、内部での権限悪用を早期発見するため、日々のログ収集・分析や常時のセキュリティ監視を行います。

万が一のインシデント(セキュリティ事故やその予兆)発生時に備え、CSIRT(Computer Security Incident Response Team:被害を最小限に抑えるための専門組織)への「報告体制」や、EDR(Endpoint Detection and Response:端末での脅威検知)を用いた迅速な「隔離手順」などの初動対応ガイドラインを整備しておくことが重要です。

システムの運用方法の種類

システムの運用方法は、ITインフラの構築場所や管理形態によって大きく2つのタイプに分類されます。ここでは、現代のシステム構築で主流となっている「クラウド型」と、特定の要件や自社設備で運用する「オンプレミス型」の2つの特性をご紹介します。

それぞれの特徴やメリット、考慮すべきリスクを理解することで、自社のビジネスモデルやセキュリティ要件に合致した最適なシステム運用体制の構築・検討に役立てることが可能です。

クラウド型

クラウド型のシステム運用は、インターネットを通じてコンピューターリソースやサービスを利用する形態です。

最大のメリットは柔軟な拡張性にあり、アクセス急増などの状況の変化に合わせて、必要なリソースをダッシュボード上でいつでも増減できる高いスケーラビリティを備えています。物理サーバーの調達が不要なため初期投資を低く抑えられる点や、アカウント開設後にオンデマンドですぐに実務へ投入できる俊敏性も大きな特長です。

一方で、自社のデータが外部ベンダーの共有環境に保存される仕組みであるため、事業者側の稼働状況やセキュリティ体制への依存度がオンプレミス型と比較して高まります。そのため、認証情報の厳格な管理や、設定ミスによる情報漏洩といった固有のリスクを考慮した、事前の綿密なセキュリティ設計が求められます。

オンプレミス型

オンプレミス型のシステム運用は、企業や組織が自社施設内、あるいは契約したデータセンターの専用スペースに独自のサーバーやネットワーク機器を設置し、自ら管理・運用する形態です。

すべてのITインフラを完全に占有できるため、業務独自のニーズや特殊な要件に合わせて、ハードウェアの構成からシステム全体のカスタマイズを柔軟に行いやすいという強みを持っています。さらに、機密性の高い重要データを外部のネットワークへ出さずに自社で管理する閉域網(独自のネットワーク環境)だけで運用できるため、データの漏洩リスクをコントロールしやすいという特長があります。

ただし、導入時には機器の購入や設置工事といった高額な初期コストが必要となります。ITインフラの設計から機材調達、検証を経て実際にシステムが稼働を開始するまでに数か月単位の期間を要する点にも留意が必要です。

システム運用を行う際のポイント

システム運用を効果的に機能させ、ビジネスの継続性を支えるためには、いくつかの重要な実践ポイントが存在します。ここでは、運用の効率化やリスク低減に直結する4つのアプローチについてまとめています。具体的な項目は以下のとおりです。

  • 運用手順を標準化する
  • 自動化を進める
  • トラブル時の対応方法を決めておく
  • 監視ツールを導入する

これらを意識して体制を整備することで、限られたリソースの中でも安定した情報システムの運用を安定して続けることがです。

運用手順を標準化する

運用手順の標準化では、誰が実施しても同じ結果になるように、具体的な作業内容を文書化します。システム運用が担当者の経験や記憶に依存する状態になると、担当者の不在時に障害対応が停滞してしまうほか、品質のばらつきによる損失を招くリスクになりかねません。例えば、ベテラン社員だけが特定の再起動手順を把握していて、休日の障害復旧が大幅に遅れるといったケースが挙げられます。

こうした事態を防ぐためには、属人化を排除する手順書や運用ルールの作成が不可欠です。手順書は単なる文章にとどめず、画面キャプチャや明確な判断基準、確認項目、担当者を網羅し、新人の担当者であっても同じ品質で安全に作業できる状態を目指して設計します。

自動化を進める

システム運用の現場において反復業務を手作業で行うと、多くの工数を要します。さらに夜間や休日の対応負荷が増大するほか、入力ミスや確認漏れといったヒューマンエラーを誘発する原因にもなり得ます。

こうした課題の解決に向けて自動化を推進する際は、日次や週次で繰り返す定型作業から着手すると、確かな導入効果を実感しやすくなります。具体的には、データのバックアップやログ収集、サーバーの定期再起動、異常時の通知といった、シンプルな繰り返しタスクから始めるのが堅実です。このように小規模な範囲から段階的に拡大する手法を取り入れることで、自動化が失敗するリスクを最小限に抑えられます。

定型作業の自動化が現場に定着すれば、業務ミスや工数の削減に加え、24時間365日体制での運用の安定化にもつながります。

トラブル時の対応方法を決めておく

トラブルへの対処の際には、障害発生後に動くのではなく、検知直後の初動対応を事前に定義しておくことが極めて重要です。初動が遅れてしまうと、被害範囲の拡大や問い合わせの急増により復旧作業が混乱し、悪循環を招く恐れがあります。

そのため、障害検知時の体制として「誰が」「何を」「どこまで対応するのか」をあらかじめ決定し、判断基準を明確にしておく必要があります。特にエスカレーション(管理者への報告や関連部門への対応要請)のルールがない状態は、対応の遅延や責任範囲の曖昧さにつながるため、事前の整備が不可欠です。

トラブル対応はサービスの暫定対処や一時的な復旧のみで終わらせず、根本原因の分析と確実な再発防止策の策定まで実施することで、システム運用の長期的な安定化につなげられます。

監視ツールを導入する

監視ツールは単に導入するだけでなく、組織内で「何を監視すべきか」を事前に整理した上で選定することが大切です。対象が曖昧なまま導入を進めてしまうと、システムにとって本当に重要な異常を検知できない一方で、不要な通知が頻発する原因になります。

そのため、ツールの運用設計ではすべての通知を同一の重要度で扱わず、影響度や緊急度に応じて優先度を割り振る必要があります。あらゆるアラートを漫然と通知していると、担当者がその状況に慣れてしまい、本当に致命的な障害の予兆を見逃す「アラート疲れ(Alert Fatigue)」を招くためです。これはIT運用における世界的な課題であり、発生しきい値の精査による通知基準の最適化など、適切な運用管理が求められます。

まと

システム運用は、ITインフラからアプリまでを含む情報システム全体の安定稼働を通じてビジネスの継続性を支える不可欠な業務です。主な業務内容やITインフラの管理形態による違いを正しく把握し、組織の要件に合わせた運用環境の選定を進める必要があります。

効率的な体制構築に向けて、手順の標準化や定型タスクの自動化など、小規模な改善から段階的に取り組むアプローチが成功の鍵となります。この記事でまとめているポイントを順に実践していくことで、組織にとって最適な、安定した運用体制の構築へとつなげていただければ幸いです。

システム運用の負荷でお困りの方はSky株式会社にご相談ください

システム運用の属人化や効率化にお悩みであれば、SIerとしての豊富な導入実績を持つSky株式会社へご相談ください。弊社では、確実なアラート監視や迅速な障害対応、セキュリティパッチ適用といった「運用・保守サービス」を、お客様の環境に合わせて柔軟に提供しています。

さらに、定型業務の自動化や手順書の作成をはじめとする「運用効率化・DX支援」にも幅広く対応しています。これらの取り組みによって日常的な管理負荷を軽減できれば、コア業務により集中できる安定したシステム運用体制を構築いただけるようになります

Sky IT TOPICS編集部

Sky株式会社は、幅広い業界でのシステム開発を手掛けたのをきっかけに、提案から体制設計、品質管理、さらに運用までを見据えた開発標準やレビュー観点の整備など、実装力と品質統制を両立させる強みを生かし、幅広い分野でのSIerとしての支援を展開しております。