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公開日2025.06.27

クラウドエンジニアとは? 主な仕事内容や必要なスキル、将来性、年収

著者:Sky株式会社

クラウドエンジニアとは? 主な仕事内容や必要なスキル、将来性、年収

近年、サーバーやネットワーク機器などを自社に設置・運用するオンプレミスの形態ではなく、必要なリソースをクラウド上に設置・運用する企業が増えています。これに伴い、クラウドエンジニアという職種の需要が高まり、注目されています。この記事では、クラウドエンジニアの仕事内容や必要とされるスキル、向いている人の特徴などを詳しく紹介します。

クラウドエンジニアの主な仕事内容

近年、さまざまな会社が多様なクラウドサービスを提供しており、企業や組織は自社内にサーバーを持たない状態でそれらのサービスを利用するようになっています。この記事では、そんなクラウドサービス上でインフラ環境を構築し、基盤を整える役割を担う存在を「クラウドエンジニア」としてご紹介します。SaaS(クラウド上にあるソフトウェアをインターネット経由で利用できるサービス)を構築する人をクラウドエンジニアとする場合もあります。

インフラ設計

クラウドエンジニアの主な仕事は、業務を円滑に行うためのインフラ設計です。システムやサービスが安定的に動くために必要な動作環境を整えるため、サーバーやネットワークなどのインフラ環境を設計します。セキュリティの強度や将来の拡張性を考えながら、設計することが大切です。

クラウド環境構築

作成した設計書を基に、最適なクラウド環境を構築することもクラウドエンジニアの業務です。サーバーの仮想化やストレージの設定、データベースの構築やソフトウェアのインストールなどを実施します。近年では自社内にサーバーを設置して運用するオンプレミスよりも、クラウドを利用してサービス料を支払い、必要なリソースを必要な分だけ利用する運用形態が増えており、クラウドエンジニアの活躍の場は増加傾向にあります。

保守・運用

構築したクラウド環境が正常に動作しているかを継続的に監視することも、クラウドエンジニアの重要な業務です。不具合が発生した際は、クラウド環境を利用する企業や組織、自社への影響を抑えるため、早期の原因究明や復旧対応が求められます。

ほかのエンジニアとの違い

関連する職種としてサーバーエンジニア、ネットワークエンジニアなどがありますが、それぞれに違いがあります。

サーバーエンジニアとは何が違うのか

サーバーエンジニアはオンプレミス環境で構築するサーバーの設計、構築、運用、管理を行うエンジニアで、ネットワークに接続されているサーバーを運用するのが仕事です。一方クラウドエンジニアは、クラウド上でのネットワーク構築や保守などを行います。

ネットワークエンジニアとは何が違うのか

ネットワークエンジニアも、オンプレミス環境でネットワークインフラの整備を行います。各種サーバーやクライアントPCのほか、デジタル複合機などの各種機器を接続するネットワークを構築する仕事です。クラウドエンジニアはクラウド上のインフラの設計や構築、保守・運用を行いますが、ネットワークエンジニアはラックへのサーバー設置、ケーブルの配線作業といった物理的な作業も担います。

クラウドエンジニアの年収目安

厚生労働省の「職業情報提供サイト(日本版O-NET)<愛称:job tag>」では、クラウドエンジニアに一致する職種は掲載されていませんが、インフラエンジニアを含む「システムエンジニア(基盤システム)」の情報が参考になります。平均年収は「約752.6万円」、受託開発に携わるシステムエンジニアの平均年収は「約574.1万円」となっています。ただ、勤務先や年齢、能力によっても大きく変動するため、一概に言い切ることはできません。

クラウドエンジニアに必要なスキル

クラウドエンジニアとして働くためにはどのようなスキルや知識が求められるのでしょうか。ここでは、特に重要な6つの要素をご紹介します。

クラウドに関する知識は必須

クラウドエンジニアはクラウドを扱う職種のため、当然ながら、クラウドに関する知識全般を身につけている必要があります。クラウド技術は日々進化を続けており、そのスピードも速いため、入社してからも継続して学び続ける姿勢も重要です。後述しますが、個別のクラウドサービスに関する知識も求められます。

コミュニケーション能力

エンジニアは一人で成果物を完成させるのではなく、プロジェクト全体で協力して業務を進めるため、メンバーと協働できることが必要です。また、クライアント企業や社内ユーザーに要件などのヒアリング調査を行ったり、構築作業の進捗を説明したりする機会もあるため、コミュニケーション能力は不可欠です。

論理的な思考力

クラウドエンジニアは、あらゆるシチュエーションを想定して論理的思考を繰り返しながら業務を進めることが求められる仕事です。クライアント企業や社内ユーザーのニーズを探ったり、システム構築や運用の過程でトラブルを未然に防ぐ設計を考えたりする必要があります。さまざまな要素を整理し、具現化するために、論理的な思考力が必要となります。

サーバー・ネットワーク・オンプレミスに関する知識

クラウド上で動作するサーバーやネットワークを扱うため、これらに関する詳しい知識も求められます。サーバーなどの実機を指すオンプレミスの知識も必要です。

ミドルウェアに関する知識

ミドルウェアとは、OSとアプリケーションの中間に位置するソフトウェアのことです。代表的なものにデータベースが挙げられます。クラウドエンジニアといっても、クラウドに 関する知識だけを学べばよい訳ではありません。

AWS・Azure・GCPの知識やスキル

Amazonが提供するクラウドサービス「AWS(Amazon Web Services)」やマイクロソフト社が提供する「Microsoft Azure」、Googleが提供する「GCP(Google Cloud Platform)」などの知識を習得していれば、クラウドエンジニアとして重宝されます。使用している基盤は現場によって異なりますが、必要に応じて柔軟に学ぶ姿勢が大切です。

クラウドエンジニアの仕事のやりが

クラウドエンジニアの担当する業務の範囲は非常に幅広く、さまざまな専門的知識が必要となりますが、その分やりがいのある職種です。一般的に、以下のようなやりがいが挙げられます。

最先端の技術に触れることができる

常に新しいクラウド技術やサービスが登場するため、それらや関連ツールを利用する機会があります。常に新しいものに触れ、最先端の技術を学び続ける楽しさは、やりがいやモチベーションにつながります。

幅広い知識やスキルを生かせる

クラウドエンジニアは、企業のITシステムのクラウド移行や運用をサポートする仕事です。身につけた最先端の技術を駆使し、インフラ整備や最適化、システムの安定稼働に貢献できたとき、大きな喜びを感じられます。

高い報酬を期待できる

前述の「クラウドエンジニアの年収目安」で解説したように、現在クラウドエンジニアの需要は高まっており、技術やスキルに応じて高い報酬を期待できます。経済的な安定を得ながら社会への貢献を感じることができ、仕事のモチベーションアップにもつながります。

社会に対する影響力が強い

近年、クラウドサービスはなくてはならない重要なインフラの一つになっています。クラウドエンジニアはそれらの設計、構築、保守、運用といった一連の業務を一手に引き受ける職種であり、世間からの注目度も高いため、仕事に対する充実感を得られるといえます。

クラウドエンジニアに向いている人とは

では、どのようなタイプの人がクラウドエンジニアに向いているのでしょうか。向いていると考えられる人の5つの特徴を紹介します。もちろん、ここで紹介するのはあくまでも傾向でしかないので、これに当てはまらないからといって必ずしも向いていないというわけでありません。

最新技術への学習意欲が高い

前述したように、クラウド関連の技術は進化のスピードが速く、次々と新たなサービスが誕生しています。エンジニアとして成長するためには、これらに興味を持ち、学び続ける姿勢を持つことが大切です。

課題を解決する意欲が高い

クラウドサービスを扱うなかで、システムに問題が発生した際は迅速に対応する行動力が求められます。自ら課題を見つけ、問題の発生要因などを洗い出し、素早く解決に導くことができる人は、クラウドエンジニアに向いているといえます。

多様なプラットフォームに柔軟に対応できる

クラウドプラットフォームには、前述したAWS、Azureなど複数の種類があり、それぞれで提供されているサービスの内容が少しずつ異なります。こうした多様なプラットフォームに対応し、実践できるかどうかが大切です。

事業やビジネスに興味がある

クラウドエンジニアはただ単に技術を提供するだけではなく、クライアント企業の課題や目標を理解し、それを解決するための最適なクラウドソリューションを提供する役割を担います。IT技術への知識だけでなく、事業者の目線からビジネスの背景や要件を理解する力が求められます。顧客とやりとりをする際、インフラの知識を生かし、相談に応じる機会も多くあります。

グローバルな環境に抵抗がない

クラウドサービスは世界中で使われており、国境がありません。また、最新のサービスは英語でリリースされることが多く、海外のほかのユーザーとも情報共有しなければならない機会があります。英語でコミュニケーションを円滑に取れる人は、クラウドエンジニアとして実力を発揮しやすいといえるでしょう。

クラウドエンジニアにおすすめの資格

クラウドエンジニアとして働くためには、次のような資格を取得しておくことをおすすめします。

AWS 認定ソリューションアーキテクト

「AWS認定ソリューションアーキテクト」とは、前述したAmazonが提供するクラウドプラットフォーム「AWS」の知識やスキルに関するベンダー認定資格です。複数の種目が用意されており、それぞれ基礎レベル・アソシエイトレベル・プロフェッショナルレベルの3つのレベルに分かれています。「AWS」はクラウドサービスの中で最も広く利用されていることから本試験の認知度は非常に高く、資格を有していることで就職活動に効果を発揮します。

Microsoft Azure認定資格

Microsoft Azure認定資格は、Microsoft社が提供しているクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」のスキルや資格を認定するための資格です。Azureのクラウドサービスの基本的な知識や提供しているサービスごとの内容が問われます。「Microsoft Azure」を利用した開発現場で働きたいと考えている場合は、あらかじめ取得しておくと自身のスキルをアピールしやすくなります。

Google Cloud 認定資格

「Google Cloud 認定資格」は、Google社が提供するクラウドサービス「Google Cloud」のスキルや資格を認定するための資格です。取得することでデジタルバッジと証明書が発行され、「Google Cloud」に関する豊富な知識とスキルを証明できます。「Google Cloud」を利用した開発現場で働きたい人にもお勧めの資格です。

Linux技術者認定

「Linux技術者認定」は、第3のOSとして注目され、さまざまなシステムで利用されている「Linux」に関する資格です。サーバーをクラウド上に設計・構築する際にLinuxを使用する機会も少なくないため、本資格を取得しておけば業務に役立ちます。レベル1から3までありますが、レベル1の場合は受験のための実務経験や前提資格保有条件はないため、取得しておくと仕事の理解に役立つでしょう。

クラウドエンジニアは未経験からなれるのか

Sky株式会社が実施する新卒採用の場合、未経験でもクラウドエンジニアになることができます。入社前の内定者研修や、約3か月間の新入社員研修、現場研修など、技術を身につける機会が多いためです。未経験でクラウドエンジニアになった人もいます。

採用面接の際には、前述した「クラウドエンジニアに必要なスキル」や「おすすめの資格」を参考にし、自分の強みや技術をPRできるようにしましょう。業界や職種を問わず汎用的に活用できるポータブルスキルにあたる「コミュニケーション能力」「論理的な思考力」などは面接官にアピールしやすいポイントなので、説得力が増すような具体的なエピソードとともに用意しておくと良いです。

クラウドエンジニアの将来性は高い

現状を踏まえると、クラウドエンジニアの将来性は高いといえます。システムの導入・運用コストを抑えるためにクラウドサービスを利用する企業が増え続けているほか、日本政府が政府機関におけるシステム運用の基本方針として2018年6月から「クラウド・バイ・デフォルト原則」(情報システムを構築する際に、第一候補としてクラウドサービスの利用を検討する方針)を掲げていることもあり、クラウドサービスの利用は今後さらに加速していくことが予想されます。

Sky株式会社でクラウドエンジニアを目指すなら

Sky株式会社では、クラウドやオンプレミスのサーバーやストレージ、クライアント端末やネットワーク機器などを組み合わせたソリューションを提案するインフラエンジニアの新卒採用を実施しています。クラウドエンジニアはサーバーやネットワークなどのインフラを設計するため、インフラエンジニアと近い作業を行います。ですから、経験を積むことでクラウドエンジニアとして社内インフラや情報セキュリティに関する運用管理に携わることも可能です。このほか、業務系システム開発など顧客に要望に応じてSaaSのサービスをつくる仕事もあり、幅広く携わることができます。

まと

ここまで、クラウドエンジニアの仕事内容や必要とされる能力、向いている人の特徴などをご紹介しました。サーバーやネットワークをはじめとしたインフラに関わるクラウドエンジニアは、これからの時代にさらに需要が高まっていく職種だといえます。これからクラウドエンジニアを目指す方にとって、この記事の内容が少しでも参考になれば幸いです。

Sky IT TOPICS編集部

Sky IT TOPICS編集部は情報セキュリティやIT運用、テクノロジーに関する最新の動向、弊社商品の情報を発信しています。
Sky株式会社は、家電のシステム開発を手掛けたのをきっかけに、デジタル複合機やカーエレクトロニクス、モバイル、情報家電、さらに自社商品として教育分野における学習活動ソフトウェアや、公共・民間向けクライアント運用管理ソフトウェアなど、幅広い分野でのシステム開発を展開しております。